なぜネイティブレベルを目指すべきなのか

In 話す・発音 by コーチYukaLeave a Comment

あなたの英語を勉強する目的はなんでしょうか?

英語ができるようになるため?

話せるようになれればいいので、ネイティブレベルなんて目指す必要がない?

でも、そもそもネイティブレベルって何なんでしょう?

ネイティブのように話すことのメリット

2017年11月、マーク・グリーンという6ヶ国語を話す人がドイツで行われたTEDトークで、”How to talk like a native speaker“(どうしたらネイティブのように話せるようになれるか)という題でプレゼンをしました。

ドイツ語と英語のバイリンガルとして育った彼は、バイリンガルの最大のメリットとして「2つの異なるアイデンティティーを楽しめること」を挙げていました。

彼はその後もロシア語やフランス語など4カ国語を習得し、その経験から、ネイティブでなくてもネイティブスピーカーと同じようにその言語で新しいアイデンティティーを形成し、文化やコミュニティーを楽しむことは可能だと話していました。

ちなみに、スピーチは英語だったのですが、会場の聴衆で英語を母国語として話す人はほぼゼロ、約70%の人たちは3ヶ国語以上の使い手でした。5ヶ国語以上でも数人が手を挙げていました。

さすが他言語圏ヨーロッパ。でも、所詮同じ人間。私たち日本人も環境や習慣を変えれば数カ国語は優に話せるようになるはずです。

英語学習のゴールとして、当然、英語でコミュニケーションをとれるようになるという技術的な面があります。しかし、もう一つ、英語を学ぶことで英語という言語の背後にある文化・思考・コミュニティー・価値観などを吸収し成長できるというメリットがあります。

パッと考えるだけで、技術面以外にも以下のようなことが思い浮かびます。

  • 新しいアイデンティティーが得られる
  • 新しい思考法や価値観が得られる
  • その国や地域の文化、習慣、歴史を知ることで視野が広がる
  • 第二の故郷のようにその国やコミュニティーへの帰属感が得られる

個人的には、こちらの方のメリットが思いがけないほど人生を豊かにしてくれているように感じます。私はバイリンガルではありませんが、英語を使えるようになってきたころから、住んでいる世界、行ける世界、つながれる世界が一気に広がりました。行動範囲が広くなっただけでなく、自分への自信につながったり、日本語だけの思考に縛られない自由さもあります。正直、日本語だけの世界にはもう戻れないです…

もし、普段自分が日本語でやっている会話を英語でできるようになることが英語学習の唯一の目的であるならば、残念ながら言語学習の恵や醍醐味を半分しか体験していないことになります。

“How to talk like a native speaker” by Marc Green at TEDxHeidelberg

「ネイティブレベル=英検1級」ではない

では、バイリンガルとして人生を豊かに過ごすためにはどのくらいのレベルが必要なのでしょうか?

マークさんは、言語習得を4段階に分けて説明しています。

  1. BASIC FLUENCY(基礎レベル):0〜25%を習得
  2. FLUENCY(実用レベル):25〜50%を習得
  3. MASTERY(熟達レベル):50〜75%以上を習得
  4. NATIVE(ネイティブレベル):75%〜を習得

FLUENCY(実用レベル)に到達すると、その言語で思考することが難なくできるようになります。また、ブランクが長く空いても、体が水泳や自転車の乗り方を覚えているように、話し方を体が覚えていてくれます。

MATERTYでは、文学を読んだり専門性の高い分野で言語を使えるようになります。MASTERY以上が、一般的にネイティブレベルと言われるレベルに当たります。

しかし実際に、実用レベルに達してからMASTERYを超えてネイティブレベルに行く学習者はとても少ないそうです。

なぜかというと、MASTERYに到達するには高い教養と専門性のある内容の理解が求められるからです。英検1級の語彙を想像してみてください。

でも、ちょっと待ってください。ネイティブでも高等教育を受けていない人はたくさんいますよね?

日本人でも、普通の人は勉強なしに漢検1級に受かることはまずありません。でも、中学校卒業程度の漢字能力でも十分豊かな人生を送れますよね。

MASTERYで必要とされる英語能力は習得が困難であるだけでなく、マークさんの言う「ネイティブレベル」に到達するには必須ではないんです。

ネイティブのような恩恵を受ける方法

さて、マークさんは自身の外国語習得経験から、高度な語彙や文法を習得しなくても、ネイティブのようにバイリンガルライフを楽しむことできると主張しています。

そのためにはどうすれば良いか?

以下は、ネイティブに近づくための3つの重要なポイントです。

1. 発音を磨く(アクセントを減らす)

体に例えると、発音は「顔」にあたります。

良くも悪くも「顔」はその人の第一印象を決めたり、人柄を表したりしますね。発音も同じです。

あなたの発音はネイティブがあなたのコミュニケーション能力を判断する基準になります。

発音が自然であればあるほど、相手に安心感を与え違和感なく受け入れてもらうことができます。

  • この人とは自然な会話ができるか?
  • 友人として自然な付き合いができるか?
  • 自分たちの文化への理解があって自然なコミュニケーションがとれるか?

…などをネイティブはあなたの発音の良し悪しから判断し、無意識にあなたへの接し方を変えています。

これについて個人的にとても腑に落ちた経験があります。

とあるセミナーに参加したとき、2人の日本人のボランティアが交代で通訳をしていました。

初めの人は語彙も文法もかなりこなれていましたが、発音がイマイチでした。次の人は多少文法や語彙に不十分さはありましたが、発音がネイティブ並みにきれいでした。

人は言葉を聞くとき、まず音を理解し、次に内容を理解します。

発音が悪いと、第一段階の音の理解で聞き手にかなりの負担がかかります。発音が自然だと音がすっと耳に入ってくるので、聞き手の負担が一つ減ります。よっぽどの熟練者でない限り必ず文法や表現のミスはあるので、いくら文法が良くても発音が悪ければ聞き手に二重の負担をかけることになります。

結果、本能的に聞き手は発音が自然な人を好むようになります。

「顔」である発音が自然だと、聞き手の負担を減らし安心感を与えることができるので、コミュニケーションが取りやすくなり良い関係を築きやすくなります。

2. ネイティブが使う表現や語彙を学ぶ

実際にネイティブが日常生活で使う表現や語彙は、私たちが教科書で習う語彙と異なる場合が多々あります。

ネイティブが使う表現はテキストから学ぶのは難しいので、ネイティブと交流したり映画・動画鑑賞をして吸収する必要があります。

初めは数が多くて戸惑うかもしれませんが、一定量を超えると覚えるのが苦にならなくなります。

3. その言語を話す人の文化や仕草などを身につける

言語習得には、その言語を話す人の文化、仕草、コミュニケーションの取り方、人との交流や接し方も含まれます。

言うまでもないですが、これらを学ぶにはできるだけネイティブと過ごすことが一番です。

鉄板の解決法は恋人をつくることですが、誰もができることではないですね…

ネイティブの友人をつくって一緒に時間を過ごしたり、ランゲージエクスチェンジ(言語交換)をやったり、近くにネイティブがいなくても、映画や動画を観ることで同じ効果を得ることができます。

自然な発音を身につけるには

バイリンガルとして2つのアイデンティティー、文化、コミュニティーを楽しむためには、もちろん基礎的な勉強は避けられません。しかし、いったん基礎能力を身につけたら、さらに高度な語彙や文法を覚えることよりも、発音を磨くことの方が重要になります。

マークさんのおすすめは、本をランダムに開いて一文を音読し、ネイティブの助けを借りながら、自然な発音で言えるようになるまで練習を続けることです。かなり地味で大変な作業ですが、効果は絶大です。

音読はとても効果的なトレーニングなのですが、日本人の場合、すぐに音読に入る前に英語の音の種類と発音方法を一通り学んでおくことがとても大切です。

理由は…

発音に限らずある言語の難易度は、その人の母国語とターゲット言語がどれだけ違うかによって決まります。

日本語は、英語などヨーロッパの言語に比べて音の数が少ない言語のため、英語には日本人にとって耳慣れない音がたくさん出てきます。

日本語にない音は聞き取りも難しいため、発音しているつもりでも別の音だということに気づいていない場合があります。自分が間違っていることを知らなければ直す努力もできません。

小さい子供であれば模倣をして身につけることができるかもしれませんが、人間の脳は、言葉を話し始める年齢になると母国語を効率的に聞き取るため不要な音を排除するようになるそうです。そのため、成人が英語を自然に発音できるようになるには、まずどんな音があるのかとその発音方法を学ぶことが近道となります。

また、リスニングで行き詰っている人は、音の勉強をし発音を磨くと聞き取れるようになります。

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